テクノインストラクター(職業訓練指導員)の紹介

テクノインストラクターの一日(例)

9:00 職員朝礼
9:10 訓練開始
12:15~13:00 昼休み
〈午後の訓練準備等〉
13:15 午後の訓練開始
16:25 訓練終了
翌日の訓練準備
校運営業務の調整等
17:30 勤務終了
校舎

テクノインストラクターのワーク・ライフ

平成31年度入庁
大阪府立東大阪高等職業技術専門校
ビル管理科担当

テクノインストラクターAの写真
【ワーク】

ビル管理業への入職を目指す幅広い年齢の訓練生に訓練指導を行っています。 仕事の近況報告に来校してくれる修了生が多く、立派な技術者に成長した様子に やりがいを感じています。

【ライフ】

二児の父として子育てを楽しみながら、 訓練指導に励んでいます。趣味は料理で、週末にはお弁当を作って近くの公園などで家族とピクニックを楽しんでいます。

Q:テクノインストラクターを希望したきっかけは何ですか?

A:前職では建築設備設計事務所に勤務していました。建築設備(空調・給排水)の設計・監理を担当し、様々な建設プロジェクトに関わってきました。 知り合いから職業訓練指導員(テクノインストラクター)の採用選考があることを教えてもらい、前職で業界の人材不足の深刻さを痛感しており、一人でも多くの優秀な技術者を育成できたらと思い受験しました。

Q:ライフについて教えてください。

A:妻・未就学児の子ども2人の4人暮らしです。 子どもの保育園の送迎は私が行っており、道中の子どもとの会話はとても楽しく、毎日の活力となっています。 私の趣味は昔はスポーツバイクに乗る事でしたが、今は「料理」が趣味となりました。 共働きの妻の弁当も私が作っており、自慢の料理「豚の角煮」は家族から絶賛で、腕前は「プロ並みでは?」と自画自賛しています。

Q:この仕事のやりがいをどのように感じていますか?

A:前職で様々な方とコミュニケーションを図り、業務を進めてきた経験は訓練指導にも活かすことができ、日々スキルアップしていく訓練生の姿に喜びを感じています。 テクノインストラクターという仕事は学校でいう教師のような存在ですが、毎年多くの訓練生と一緒に訓練に励みながら、自分も成長できる仕事にとてもやりがいを感じています。​今後も日々学びを深め、訓練生のスキルアップを全力でサポートしていきたいと思います。


修了生から見たテクノインストラクター

守口高等職業技術専門校木工科 (1年訓練)を平成25年3月に修了後、木工系企業に10年間勤務
※平成25年度に北大阪高等職業技術専門校インテリア木工科(現建築インテリア科)にリニューアル

テクノインストラクターBの写真

Q:訓練中、テクノインストラクターはあなたにとってどのような存在でしたか?

A:訓練を始めたころは、分からないことやできないことに的確に答えてくれる「学校の先生」そのものでした。訓練が進むにつれて、就職の悩みや訓練以外の相談にも私と一緒に親身に考えていただき、「何でも聞ける会社の上司」または「頼りになる学校の先輩」といった表現がぴったりな存在でした。

Q:あなたが印象に残った指導はありますか?

A:実習で機械を使用する前や訓練終了時など様々な場面で、常に安全面を意識するよう指導いただいたことが印象に残っています。 実際仕事に就いた時にも安全第一に作業することに上司はとても感心されていました。

Q:テクノインストラクターを目指す方に一言!

A:私は訓練を修了して、関連企業に就職した後にテクノインストラクターになりました。 最初はドキドキしていましたが、指導のノウハウはテクノインストラクターとして勤めていく中で、自然に身に付いてくることを日々実感しています。 経験が無くても「誰かの役に立ちたい」、「テクノインストラクターになりたい」、「人の人生の成功を喜べるになりたい人」など、一人ひとりに寄り添うことの素晴らしさを感じられる人はこの仕事に向いていると思います。 まずは、「やりたい気持ち」を大切に!


キャリアパス

平成2年に職業訓練指導員(テクノインストラクター)として大阪府に採用され35年目を迎える、あるテクノインストラクターのキャリアパスを紹介します。

採用 平成2年
守口高等職業技術専門校 
建築科担当

平成13年
松原高等職業技術専門校 
建築科担当

高校卒業後、家業である建築業に従事しながら短期大学(夜間制)に通いながら建築の技術、技能を習得。短大卒業後、大阪府の職業訓練指導員(テクノインストラクター)として入庁。
入庁当時は、指導業務に戸惑いながらも若年から中高年齢の生徒さんに対して一緒に汗をかきながら技術指導を行いました。木造建築大工のさしがねを使った規矩(きく)術なども専門研修を受講するなど自己研鑽により習得し、技能検定委員も数年にわたり担当させていただきました。
これらの頃の多くの方との一期一会がテクノインストラクターとしての基礎となっていると思います。
平成18年
本庁 雇用推進室能力開発課
(現人材育成課)
初めての本庁勤務を経験して、大阪府としての職業能力開発行政全般の仕事の流れを知る事が出来ました。各施設で生徒対応に追われるだけでなく、国や関係機関との連絡調整など多岐にわたる業務を見聞したことで仕事に対する考え方が拡がりました。
平成20年
こどもライフサポートセンター
主査級に昇任

福祉部管轄の高校生年齢の方を対象とした児童自立支援施設に異動となり、福祉専門職の方と一緒になって子どもの就労支援にたずさわらせていただきました。
ものづくりの楽しさや自立のために働くことの大切さを少しでも伝える事が出来たと思っています。
テクノインストラクターでは、経験できない福祉行政に携わることができ、人に対する支援や関わり方のあり方について学ぶことが出来ました。

昇任制度
昇任は勤務成績等を考慮した能力主義で行われます。
主事・技師級→主査級→課長補佐級→課長級→次長級→部長級

平成22年
夕陽丘高等職業技術専門校 
ワークアシスト科
(知的障がい対象)担当

平成23年
芦原高等職業技術専門校
ワークアシスト科
(知的障がい対象)担当

平成26年
大阪障害者職業能力開発校
ワークサービス科
(知的障がい対象)担当

障がいのある方を対象とした科目を担当することになり、どの様な方法が効果的な職業訓練か分からずに手探り状態からのスタートでしたが、これまでの経験を活かして障がいは個性であると認識して生徒指導にあたりました。
知的障がいのある方には純粋な気持ちを持っておられる方が多く、自分の指導が良くも悪くも大きく影響することを実感しました。

平成29年
東大阪高等職業技術専門校 
訓練課長

課長補佐級に昇任

平成31年
大阪障害者職業能力開発校 
副校長

令和4年
南大阪高等職業技術専門校 
副校長

課長級に昇任

これまで、訓練生を対象に仕事を行ってきましたが、訓練課長に任命されたことにより、施設のマネジメントに携わることになりました。
職業訓練というと一方通行的な指導により生徒さんにスキルを身につけて就職に結びつけて頂くものと思われがちですが、決してそうではなく、たくさんの生徒さんとの出会いや一緒に仕事をしてくれる仲間の方の協力により自分自身も成長できたと思います。
生徒さんにだけでなく職員に対しても「挨拶」「感謝」「協調」の実践を行い、いきいきと明るく楽しい訓練現場を目指しています。